【牛肉の部位】濃厚な旨味!牛のバラについて紹介!
2019.8.19

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焼肉屋でよく見るカルビ、ハラミ、イチボ…
ステーキ屋でよく見るランプ、サーロイン、シャトーブリアン…
トンカツ屋でよく見るヒレ、ロース…

名前は知ってる。食べた感じもわかる。違いもなんとなくは知っている。
でも、どこの部分の肉なのか?何がそんなに違うのか?
そこまで詳しい人は料理人や肉屋さん、食肉卸しに関わる仕事人が主だと思います。
確かに細かく分けられた部位の数は多いですが、知っておくとワンランク上の調理ができるようになって、知識を活かせばさらに美味しく牛肉をいただくことができるようになるはず。
今回は牛肉の部位の中でも脂がのった濃厚な旨味が特徴の『バラ』についてご紹介します!

バラはナカ・ソト・肩に分けられる

バラ肉は牛のお腹の部分の肉で、赤身と脂身が交互に重なり合った層になっているので脂がのっていて濃厚な旨味を感じられるのが特徴です。
バラの中でも牛のお腹の下側(外側)の方がソトバラになり、ソトバラよりも上の方(お腹の中心側)がナカバラになります。

《バラ=カルビ!》
焼肉で必ずといっていいほど耳にするメジャーな『カルビ』は肋骨の周りにある肉全体のことを指しています。
なのでカルビはアバラの意味から取って”バラ”とも呼ばれています。

【ナカバラ】
三枚肉とも呼ばれていて、
カイノミ、カッパ、カブリ、プレート、インサイド
などがナカバラから取ることができる部位です。

【ソトバラ】
カッパ、カブリ、バラ山、インサイド、縦バラ、横バラ、ササミ
などがソトバラから取ることのできる部位です。
バラ山はゲタとも呼ばれていて、中落ちカルビとして焼肉屋さんなどでメニューに出されたりします。

【肩バラ】
肩バラは別名が前バラと呼ばれ、お腹の辺りに位置するナカバラ・ソトバラとは違ってウデや肩の辺りの部位を指します。
特上カルビになるような部分もありますが、サシが入っていながらもキメが粗くて肉質は他のバラの肉と比べると硬めな所があります。
硬めの肉質の部分はカレー用の肉として重宝されたりしています。

カルビの中でも肉質がちがう!

お腹の肋骨の辺りの肉はカルビ。ということですが、その中でさらに部位が分けられるので焼肉屋さんや居酒屋、肉バルなどのメニューにはたくさんの肉の名前が並んでいます。
バラ(=カルビ)の特徴は脂の旨さを感じられる濃厚な味わいですが、それぞれの部位は見た目も味わいも異なります。

カルビ

カルビは並カルビ・上カルビ・特上カルビなどに分けられてメニューになっていたり店頭で表記されたりしますが、この分け方には特に決まったルールはありません。
サシの入り具合で分けられることが多いと思います。
カルビの良いところは脂を感じられる濃厚な旨味と、お値段ではないでしょうか。
カジュアルに焼肉を楽しむ時には特に重宝される肉だと思います。

中落ちカルビ

中落ちカルビ=ゲタ=バラ山 です。
この部位はアバラの間にある肉を指していますが、丸ごと部位を切り出した時には肋骨の跡が残っていて下駄のように見えるので『ゲタ』と呼ばれるようになりました。
そしてマグロの中落ちと同じように骨と骨の間の肉を食べることから『中落ちカルビ』という名前がついて提供されています。
どれも同じ部分のお肉の名前ですが、焼肉屋さんで目にしやすいのは『中落ちカルビ』かもしれません。
「中落ちで肉全体の質がわかる!」と言われることもあるほど肉の良し悪しが現れる部分です。

カイノミ

上カルビとして出されることが多い部分で、柔らかい肉質が特徴です。
一頭の牛から左右一対になるブロックしか取れないので、なかなか希少な部位になります。
牛肉の『ヒレ』部分は牛肉全体の中で特に希少で柔らかい部位として知られていますが、カイノミはバラの中でヒレに近いところに有る部分です。
特徴的なのはサシがナナメに入っていることで、他の肉の切り身と比べるととてもわかりやすいくらいサシに特徴があります。

ササミ

ソトバラの中でモモに近い部分にある部位で、こちらもカイノミと同様に上カルビとして出されることの多い部分です。
一頭からごく少量しか取れないので希少価値が高く、ワンランク上のカルビと言われるのではないでしょうか。
柔らかさと脂の旨味はもちろんですが、サシが細かく入っていることもあり、割とサッパリ感じられる部位かもしれません。

三角バラ

三角バラは一頭からわずかしか取れない部分で、脂がよくのったサシの多い肉質です。
特上カルビとして焼肉屋さんで提供される事が多い部位です。
こちらはナカバラ・ソトバラではなくて肩バラに属しています。切り出すと三角形なので三角バラと呼ばれます。

肩バラはステーキから煮込みまでイケる万能部位!

ナカバラ・トモバラという牛のお腹の辺りから離れている肩バラ(前バラ)は、ステーキ用からカレーなどの煮込み料理用まで幅広く使われる万能性のある部位です。
赤身と脂のバランスが良くて見栄えも良いので、飲食店さんに人気の部位となっています。

国内では『ブリスケ』と呼ばれる人気部位

肩バラは前バラとも言われますが、国内では『ブリスケ』と呼ばれる事が多いかもしれません。
前足の付け根辺りに位置していて、脂と赤身のバランスが良いのが特徴。
ナカバラ・ソトバラと同様にカルビとして焼肉屋さんでは提供される事が多く、赤身とサシのコントラストが抜群なのでお皿に盛り付けると見栄えがする部位です。

煮込むとトロける味わいを楽しめる!

ブリスケは焼肉のカルビとしての提供の他、カレーやシチューなどの煮込み料理にも好んで使われる部位です。
ブリスケの中でも下の方に位置する食肉は他の肉と比べて硬めなのですが、煮込むと柔らかくてトロッとした味わいになります。
洋食屋さんで使われたり、ブリスケを丸ごと仕入れる焼肉屋さんや飲食店さんではランチのメニューとして使われることもあるようです。

トモバラを仕入れればカルビコンプリート!

ナカバラ・ソトバラを総じて『トモバラ』と呼びますが、このトモバラを仕入れればカルビの主要部位は全て取れるので、焼肉屋さんではトモバラ1枚でカルビのメニューをほぼ全て揃える事ができます!
『特上・上・並』のランクづけにルールは特に無いのでお店ごとに分類してメニューを出していると思いますが、サシのキレイな部分も希少な部分もカジュアルに低価格で楽しめる部分も全部トモバラから取る事ができるので、小川畜産グループでも焼肉屋さんから多くご注文いただいています。
特に夏はビールと一緒に焼肉を楽しむ方も増えますので、需要が増える部位です。
トモバラに肩バラに属する三角バラなどが加わって総じて『カルビ』と呼ばれます。

部位に迷ったらご相談ください!

今回ご紹介した『バラ』は、牛の食肉の中で最も焼肉に向いている部位だと言えると思います。
ここまでご紹介した通り1枚のトモバラから細分化されて多くの名前の部位が取れますので、迷ったりわからない点があれば是非お問い合わせください!
「こんな用途で使いたいけど、どの部分を使えばいいの?」「トモバラ1枚仕入れてもどうやって切り分けたらいいかわからない…」「肉はどうやって仕入れるの?」
こんなお悩みがあれば、ご相談いただければと思います。
お客様のご要望に合わせて対応させていただきます!
肉のことなら小川畜産グループにおまかせ下さい。