牛肉の部位の中で『ヒレ』『ランプ』『サーロイン』といえば幅広く高級部位として認識されていると思います。
ステーキハウスや鉄板焼き、肉バルなどで目にする事が多いのではないでしょうか。
焼肉屋さんに人気のトモバラ、しゃぶしゃぶやすき焼きなどの鍋物系のお店に人気のロースとの違いや魅力をご紹介します!
高級部位といえばヒレ!3%の希少部位
ヒレというと若干地味な感じでしょうか。
鍋物系のお店、ステーキハウスや肉バル、トンカツ屋さんでもヒレ肉はよく目にしますし、身近で親しみを感じる方が多いかもしれません。
しかし、このヒレという部位は牛一頭の食肉から2〜3%しかとれません。
実はとても希少で高級な部位なんです。
どこのお店でもヒレ肉を使ったお料理はワンランク上のお値段になる理由はここにあります。
・脂身が少ない
・柔らかい
・サッパリした味わい
これがヒレの特徴で、とにかく柔らかくて美味しいお肉です。
シャトーブリアンはヒレの真ん中の部位
シャトーブリアンは高級なイメージをお持ちの方が多いのではないでしょうか?
全くその通りで、とても希少で間違いなく最高級レベルの部位だといえます。
肉全体から3%しか取れないヒレの、さらに真ん中の部分がシャトーブリアンとして切り出されます。
柔らかいヒレの中でも断トツの柔らかさを誇る部分です。
ヒレ肉はステーキ用No.1!の肉
ヒレ肉は何と言ってもステーキ用として使われることが1番多い部位です。
上質な赤身で上品に入ったサシが特徴で、柔らかくて香り高い味わいを楽しむ事ができます。
こちらは火を通しすぎずに中をレア気味で仕上げるのがオススメ!
ステーキだけではなくて牛カツ屋さんにも人気があり、牛ヒレのカツでは大人気で都内にも有名な人気店があります。
また、高級部位ということでおめでたい席や贈り物としても人気があります。
サーロインはヒレに次ぐ高級部位!
サーロインといえばステーキ屋さんのメニューでよく見る名前ですよね。
こちらも高級部位で、ヒレに続く二番手という感じです。
サーロインはリブロースの横、腰の上の辺りに位置しています。
腰の上部の柔らかい所にあって、肉質はきめ細かくて柔らかいのが特徴です。
ステーキハウスや鉄板焼き屋さんでは鉄板の人気部位で、サシがキレイに入っていて美味しくいただく事ができます。
主流はステーキ!薄切りでも美味しい!
サーロインはやはりステーキハウスなどでステーキ肉として使われるのがメインです。
霜降りが美しくて見栄えが素晴らしいのと、好みの厚さに切るだけでキレイなサシが出てくるのでそのまま焼いて楽しめます。
シンプルな味付けだけでもジューシーで美味しく、とても優秀な部位だと思います。
また、霜降りの部分を薄くスライスしてすき焼きやしゃぶしゃぶに使うこともあります。
贅沢な味を楽しめますね!
用途や味付けの工夫もでき、人気も実力も圧倒的なのがサーロインです。
【小ネタ】サーロインの名前の由来
サーロインという名前は、この肉の素晴らしさを王様が称えて名付けたという説があります。
“サー”というのは英語で“騎士”の称号のこと。
イギリスの貴族には代々受け継がれる伯爵や男爵など色々な階級や称号がありますが、王様が「キミ素晴らしい!称号をあげる!」と言って一般の人に称号を与える事があります。
サーロインの場合は、その“サー”の称号を肉がもらったということ。(サー=騎士)
ちなみに“ロイン”は”牛の腰の肉”という意味で、あまりにも美味しかったので称号を与えられたということです。
〈別の説あり〉
サーの称号を王様からもらったという話は割と有名かもしれませんが、別の説もあります。
こちらはなんとも単純ですが、フランスからイギリスにサーロインが伝わった時に、フランス語の発音がなんとなく変化していつの間にか『サーロイン』になったという説です。
コチラの説だとなんだか夢がないような気がします。笑
とにかく、王様から称号をもらった!という説があるほど、サーロインは美味しいというのは間違いありません!
ステーキ屋さんや鉄板焼き屋さんにはとてもオススメの部位です。
使いやすい!ランプは牛肉の万能選手
ランプはモモの部分にある部位で、モモの中でも柔らかいです。
肉質が良くて脂にクセがなく、旨味を感じられる所です。
ステーキとしてよく見られますが、他にも牛肉のタタキやローストビーフ用の肉としても使われています。
ランプステーキとして人気で、肉バルなどでもよく使われています。
脂肪が少ない&柔らかい!
ランプ肉は脂肪が少ないのが特徴で、脂身が少ないながらもとても柔らかいのが特徴です。
程よいサシが入っているのでステーキハウスなどでステーキとして提供されますが、他の部位よりも赤身がちで味が深いので赤ワインなどと非常に相性がいいです。
肉バルなど肉とお酒を一緒に楽しむ店の他、ワインバルやダイニングバーなどにも仕入れていただくことが多いのがランプ肉です。
イチボと合わせて『ランイチ』と言われる
ランプの側に『イチボ』と呼ばれる部位があり、2つを合わせて『ランイチ』と呼ぶこともあります。
イチボもランプと同じようにモモの部分の肉で、お尻の先の辺りに位置します。
牛一頭分の食肉から1.5キロしか取れないという希少な部位で、赤身肉の深い味わいを楽しめます。
ランプもイチボも赤身の旨さとコクが特徴で、やはり赤身肉はワインと合わせるのが人気のようです。
また、熟成肉にも向いていると言われる部位なので熟成肉に興味のある方にはオススメと言えます。
ドライエイジングの熟成肉には赤身の肉が向いていると言われていて、赤身メインの部位で熟成肉を作っている所が多いんです。
ドライエイジングで変化した牛肉はまた別の風味と味わいがあるのでオススメですよ!
けっこうマニアックなランプ&イチボ
ランプとイチボはその中でさらにいくつもの部位に分けて紹介されることもあります。
それぞれの部位ごとに特徴があって、ランプと一口に言っても使用する目的によって向き不向きがあるんです。
なかなかマニアックなので、迷った時は食肉業界の加工業者や卸しの業者に相談されることをオススメします。
ランプの細かい分類については【モモ肉】のページでご紹介したいと思っていますので、ぜひそちらもチェックしてみてください!
高級部位も使い方イロイロ
主にステーキ肉の高級部位として認知されているヒレ(シャトーブリアン)・サーロイン・ランプ(ランイチ)ですが、実はステーキ以外でも美味しくいただけます。
王道のステーキだけでなく、しゃぶしゃぶやすき焼きとしてもワンランク上のお肉として提供する事ができますので、メニューに取り入れるのも良いのではないでしょうか。
希少部位の仕入れや使い方など気になる事があればお気軽にお問い合わせください!
熟成肉についても対応できますので、お声がけいただければと思います。